
藤井英敏
マネー誌でもおなじみ藤井英敏さんの相場見通しは必見!株式市場の旬な情報をお見逃し無く!投資情報:カブ知恵
09月05日 16時27分
来週の相場見通し/日本株の上値は重いが、下値も堅い
来週の日経平均は週末にメジャーSQを控え、内外の投資環境が劇的に変化しない限り、大きくレンジを変えることはなさそう。たしかに、公的年金を所管する厚労省のトップに塩崎氏が就任したことで、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による日本株買い増しに対する期待がいっそう高まった。しかしながら、相場的には、第2次安倍改造内閣が発足し、政策期待にも出尽くし感が出ており、GPIF運用改革期待だけで相場が上に行くのは難しい。
一方、最大の波乱要因の地政学リスクについては、ロシアとウクライナの両首脳が東部停戦案で大筋合意したと伝わり、地政学リスクは大幅に低下している。ただし、4日にECBが大方の市場予想に反して政策金利の引き下げを決めたことで、世界的なカネ余り状態が続く見通しだ。
このため、日本株の上値は重いが、下値も堅い。この結果、日経平均は概ね25日移動平均ベースのボリンジャーバンドの+1σ(5日現在15624.27円)と+2σ(同15834.77円)とに挟まれたレンジでのバンドウォークを想定している。
なお、5日午前8時半(日本時間同日午後9時半)に発表の8月の雇用統計の市場予想は、非農業部門の雇用者数は前月比22万5000人の増加、失業率は7月から0.1ポイント低下の6.1%となっている。ただし、賃金など幅広い指標で見た雇用情勢が利上げ時期を決めるため、今回の雇用統計を受けて、市場が大きく動くとは考えにくい。
足元の需給面での日本株の上値圧迫要因は、個人投資家からの強烈な売りだ。実際、8月第4週(8月25~29日)の投資主体別売買動向では個人は3週連続で売り越した。売越額は133億円で、前の週の2444億円から売り越し幅は大幅に減少したが、3週間で合計4396億円も売り越したのだ。これが日本株の上値を圧迫しているとみられる。この影響もあって、8月の日経平均は196.18円(1.26%)下落した。月間での下落は4カ月ぶりのことだ。また、8月第4週の新興市場でも、個人投資家は11週ぶりに売り越した。この売り越しによって得た資金は、将来の押し目に対する待機資金とみておけばよいだろう。
一方、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用改革期待は引き続き高いため、海外の投資家、とりわけ年金ファンドなど長期目的の投資主体が買いを継続する見通しだ。また、信託銀行経由の年金買いも続くとみている。この両主体の買いが日本株を力強く支えたり、または、押し上げたりすると考えている。
(株式会社カブ知恵 代表取締役 藤井英敏)