
藤井英敏
マネー誌でもおなじみ藤井英敏さんの相場見通しは必見!株式市場の旬な情報をお見逃し無く!投資情報:カブ知恵
08月30日 13時04分
来週の為替見通し/レンジは1ドル=96.81-99.15円
今週の円相場は失速した。週明け発表された7月米耐久財受注額が予想より低調な内容となったことで円買い・ドル売りが先行。シリア情勢の緊迫化で日米欧の株価が下落すると、投資家がリスク回避姿勢を強め円高がさらに進んだ。28日のアジア時間に中東の衛星テレビ局アルジャジーラが「シリアはすでに攻撃されている」と報じると、短期投機筋の仕掛け的な円買い・ドル売りが入り一時96.81円と12日以来の高値を付けた。
ただ、円の上値では断続的に円売り注文が観測されており、そのあとは徐々に上値が重くなっている。シリア情勢緊迫化への過度な懸念がひとまず落ち着き、株価が反発。投資家のリスク回避姿勢が後退し、円売り・ドル買いが出た。4-6月期米国内総生産(GDP)改定値が予想以上に改善したことが分かると、一時98.52円まで下げた。
来週、米国では3日に7月米建設支出、8月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数、4日に8月米企業の人員削減数、7月米貿易収支、米地区連銀経済報告(ベージュブック)、5日に8月ADP全米雇用報告、米新規失業保険申請件数、4-6月期米非農業部門労働生産性改定値、7月米製造業新規受注、8月米ISM非製造業指数、6日に8月米雇用統計が発表される。また、ウィリアムズ米サンフランシスコ連銀総裁やコチャラコタ米ミネアポリス連銀総裁、ジョージ米カンザスシティー連銀総裁などの講演が予定されている。
一方、日本では2日に4-6月期の法人企業統計調査、3日に8月マネタリーベース、7月毎月勤労統計、6日に7月景気動向指数速報値、日銀金融経済月報が公表される。また、日銀は4-5日に金融政策決定会合を開く。
来週は重要イベントが相次ぐ。ベージュブックは次回のFOMCの討議材料となるため内容を吟味する必要があるほか、8月米ISM製造業景気指数や8月米雇用統計などは米実体経済の先行きを占ううえで重要だ。また、3日に豪準備銀行(RBA)、4日にカナダ銀行(BOC)、5日に英中銀金融政策委員会(MPC)と欧州中央銀行(ECB)が政策金利を発表する。週末には20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議がサンクトペテルブルクで開催される。
来週の円相場は神経質な展開となりそうだ。レンジは1ドル=96.81-99.15円を想定している。米量的緩和の縮小をめぐる不透明感が根強いなかで、目先の材料に一喜一憂する展開が予想される。市場関係者からは「米国の量的緩和縮小開始時期と縮小ペースの決定、さらに日本の消費増税実施の最終判断など、重要イベントを通過するまでは方向感が出にくい状況が続きそうだ」との声が聞かれた。とはいえ、6日の8月米雇用統計の結果次第では、米量的緩和縮小開始時期の予想が後ずれする可能性もある。その場合は、米長期金利の低下とともに円買い・ドル売りが広がることが予想される。
(グローバルインフォ株式会社)