
藤井英敏
マネー誌でもおなじみ藤井英敏さんの相場見通しは必見!株式市場の旬な情報をお見逃し無く!投資情報:カブ知恵
01月25日 16時04分
来週の為替見通し/1ドル=87.79-92.00円を想定
今週の円相場は行って来いの展開となった。22日に日銀金融政策決定会合の結果公表を控えて、持ち高調整目的の円買いが先行した。麻生太郎副総理兼財務・金融相が「物価目標2%は日銀決定会合で意見が割れる可能性がある」と発言すると、2%の物価目標の導入は規定路線とみられていたため円買いが強まった。
日銀金融政策決定会合では2%の「物価安定の目標」や、資産買入等の基金の「期限を定めない資産買入れ方式」が決定されたが、市場では「無期限の資産買入れについては2014年以降とされ、13年の買入額は増やしていない。基金増額ペースが14年は鈍化する」として失望感が広がり、円買い戻しが加速した。
白川方明日銀総裁が定例記者会見で「付利撤廃は市場機能や金融機関の収益に悪影響を及ぼす」と語り、付利撤廃に消極的な姿勢を示すと円買いが一段と強まり88.06円まで上げ幅が広がった。
ただ、一部通信社が「中尾武彦財務官は最近の円の上昇を注視」と報じたうえ、西村康稔内閣府副大臣が「1ドル=100円は問題ないとの認識。浜田宏一内閣官房参与(エール大学名誉教授)と共通」と発言すると一転円売りが優勢に。安倍晋三首相が「大胆な金融緩和をこれから進めていく必要があり、日銀法改正も視野に入れていきたい」と語り、日銀の追加金融緩和期待が再浮上したことも円売りを促し、2010年6月22日以来の安値となる90.695円まで急落した。
来週、米国では28日に12月耐久財受注、12月住宅販売保留指数、29日に11月ケース・シラー住宅価格指数、1月消費者信頼感指数、30日に1月ADP全米雇用報告、10-12月期国内総生産(GDP)速報値、連邦公開市場委員会(FOMC)、31日に1月企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)、12月個人消費支出(PCE)、新規失業保険申請件数、1月シカゴ購買部協会景気指数、1日に1月雇用統計、1月消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値)、12月建設支出、1月サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数が発表される。
来週は米重要イベントが相次ぐ。29-30日に開催されるFOMCは2013年に投票権を持つメンバーを交えての初会合となる。2013年のメンバーであるエバンズ米シカゴ連銀総裁とローゼングレン米ボストン連銀総裁はハト派、ブラード米セントルイス連銀総裁は中立、ジョージ米カンザスシティー連銀総裁はタカ派と見られている。
前回のFOMC議事要旨では「数人のメンバーは2013年末より前の時点でのQE(量的緩和)の縮小もしくは停止を考慮した」との見解を示されたが、メンバーの変更でQEへの見方に変化があるか確認したい。また、1月雇用統計を占う上で1月ADP全米雇用報告などが注目される。
来週の円相場は軟調に推移しそうだ。レンジは1ドル=87.79-92.00円を想定している。日本の政府高官から円高是正の目処として1ドル=100円が示されたほか、日銀の追加金融緩和期待が改めて台頭しており、円が売られやすい状況となっている。欧州要人から安倍政権の円安政策をけん制する発言が伝わったが、影響は今のところ限定的だ。
市場では「86.75-90.75円にダブルノータッチオプションが観測されている」との声が引き続き聞かれているが、90.75円を下抜ければ下値余地が広がるだろう。
リスクは日本の政府高官から円安けん制発言が出た場合や、米雇用統計など相次ぐ米重要指標が投資家心理を悪化させた場合だ。円の売り持ち高が膨らんでいるだけに反動には注意が必要だ。
(グローバルインフォ株式会社)