
藤井英敏
マネー誌でもおなじみ藤井英敏さんの相場見通しは必見!株式市場の旬な情報をお見逃し無く!投資情報:カブ知恵
12月28日 15時15分
来週の為替見通し/レンジは1ドル=85.00-89.00円を想定
今週の円相場は下値を探る展開だった。一時2010年8月3日以来およそ2年5カ月ぶりの安値となる86.64円まで値を下げた。26日に発足した第2次安倍内閣が積極的に財政出動し、日銀が大胆な金融緩和に動くとの思惑から、円売り・ドル買いの流れが続いた。日経平均が年初来高値を更新するなど、株価が堅調に推移したことも円売り・ドル買いを誘った。市場では「北米や中南米に投資する投資信託の新規設定に絡んだ円売り観測もあった」との指摘があった。
来週、米国では2日に11月建設支出、12月ISM製造業景況指数、3日に12月チャレンジャー人員削減数、12月ADP雇用統計、新規失業保険申請件数、11-12日分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨、4日に12月米雇用統計、11月製造業新規受注、12月ISM非製造業景況指数(総合)などが発表される。また、プロッサー米フィラデルフィア連銀総裁やイエレン米連邦準備理事会(FRB)副議長の講演が予定されている。
一方、日本は年末年始で3日まで休場となる。
来週は米景気への深刻な打撃が懸念される「財政の崖」協議の行方に注目が集まる。「財政の崖」回避へ向けて、歩み寄りの兆しも見えていたオバマ政権・民主党と共和党との協議は難航。年末までの合意は予断を許さない状況だ。米ギャラップ社が発表した世論調査の結果では「崖を回避できる」と予想する回答は50%にとどまった。未解決のまま年明けを迎える「崖越え」が現実となる可能性もささやかれている。
来週の円相場は神経質な展開となりそうだ。レンジは1ドル=85.00-89.00円を想定している。新政権による脱デフレ・円高是正の政策が進むとの見方が円の先安観につながっており、市場では「下値の目処が見えない状況だ。誰が見ても円を買える地合いではない」との指摘があった。「円を売り遅れた実需筋が円売りを進めている」との声もあった。
ただ、短期的には円の反発リスクも意識される。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の通貨先物市場で非商業部門(投機筋)の円の対ドル持ち高は売りと買いの差し引きで8万9163枚の売り越し(18日時点)となった。依然として投機筋のポジションは円売りに大きく傾いている。米「財政の崖」をめぐる協議が迷走し「リスク・オフ」の動きが強まれば、円が買い戻される可能性は高い。
(グローバルインフォ株式会社)