
藤井英敏
マネー誌でもおなじみ藤井英敏さんの相場見通しは必見!株式市場の旬な情報をお見逃し無く!投資情報:カブ知恵
12月07日 15時59分
来週の相場見通し/自民党優勢に変化がなければ、安倍トレード継続
来週の日経平均は週末のメジャーSQを控え、アット・ザ・マネー(ATM)が9500円なのか、9750円になるのか、それとも、それ以外の行使価格になるのかが最大の焦点になる。これを決めるのは、円相場、特に、ドル円相場だろう。ザックリ言えば、ATMは、1ドル=82円台なら9500円、81円より下なら9250円、83円より上なら9750円が有力だ。下にいく理由とすれば、米国の「財政の崖」へ懸念が強まることが挙げられる。逆に、上にいく理由は、この懸念が大幅に後退するケースが考えられる。現時点では1ドル=82円を中心に推移を前提に、来週の日経平均の想定レンジは9300円~9700円程度だ。
国内要因では、総選挙の情勢分析で、自民党優勢に変化がなければ、安倍トレード(日本株買い+日本円売り)は継続する公算が大きい。確かに、選挙は水物であり、風向きが大きく変わるようなイベントが発生し、現在の予想が大きく変化するようだと、安倍トレードの巻き戻しが一気に起こるだろう。しかし、現時点においては、その兆候はみられていない。ちなみに、最新の一部世論調査では、自民党は小選挙区、比例代表ともに優位に立ち、単独過半数の241議席を確保し、公明党と合わせ300議席をうかがう勢いだという。
ところで、本日発表の米11月雇用統計では、非農業部門雇用者数の前月比の増加幅の市場予想は8万人程度だ。10月の17万1000人増を大きく下回る見通しなのは、11月は10月末に米東部を襲ったハリケーン「サンディ」が大きく影響したとみられているからだ。だが、米国のマクロ指標に関しては、それはそれで重要だが、市場の関心は「財政の崖」に一極集中している感があり、雇用統計自体の市場へのインパクトは、余程大幅に下振れない限り、限定的だとみている。
野田首相が衆院解散を事実上宣言した11月14日から、日経平均は順調に値上がりした。この牽引役が、裁定買いだ。この結果、11月30日時点の裁定取引に伴う現物株の買い残高(期近・期先合計)は前週末比で982億円増え、2兆2102億円と2011年2月以来、およそ1年9カ月ぶりの高水準にまで積み上がった。この買い残の解消売りがどこで出始めるかも、今後の焦点になる。おそらく、円高に大きく振れる過程で、この裁定買いポジションの解消が引き起こされることになるであろうため、今もそうだが、今後は今まで以上に、円相場の動向から目が離せない状況が続く見通しだ。
日経平均に関しては、25日移動平均ベースのボリンジャーバンドの+1σ(7日現在、9440.57円)と+2σ(同、9731.92円)との間のバンドウォークを続けるというのがメインシナリオだ。25日移動平均線(同、9149.68円)自体が上向きのため、上振れ易い状況も継続することになるだろう。なお、短期的な過熱感は否めないため、今後、+1σを割り込むようだと、時間なのか、値幅なのかは分からないが、調整入りのサインとみておく必要はある。
(株式会社カブ知恵 代表取締役 藤井英敏)