
藤井英敏
マネー誌でもおなじみ藤井英敏さんの相場見通しは必見!株式市場の旬な情報をお見逃し無く!投資情報:カブ知恵
09月14日 16時29分
来週の為替見通し/レンジは1ドル=76.00-78.00円を想定
今週の円相場は上昇した。格付け会社ムーディーズが11日、「米予算協議で国内総生産(GDP)に対する債務比率の低下傾向を示さなければ、米国の格付けは『AA1』に引き下げられる可能性がある」との見解を示し、円買い・ドル売りが加速した。
また、12-13日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、米連邦準備理事会(FRB)が追加金融緩和に踏み切るとの思惑が高まるなか、13日発表の新規失業保険申請件数が予想より弱い内容となったことも円買い・ドル売りを後押しした。
FRBはFF金利を異例の低水準にすることが正当化される可能性が高い期間を2014年遅くから2015年半ばに延長した。また、MBSの購入を発表したほか、労働市場の改善が達成されるまで追加の資産購入を続ける姿勢を示した。全般ドル売りが優勢となり77.13円と2月9日以来の高値を更新した。
なお、独連邦憲法裁判所が11日、「欧州安定メカニズム(ESM)についての合憲判断を延期せず12日に発表する」との認識を示したほか、12日にESMを条件付きで合憲と判断したことなども材料に、ユーロ・ドルの堅調地合いが続いたことも円買い・ドル売りを誘った面があった。
来週、米国では17日に9月米ニューヨーク連銀製造業景気指数、18日に4-6月期米経常収支、7月対米証券投資動向、9月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数、19日に8月米住宅着工件数、8月米建設許可件数、8月米中古住宅販売件数、20日に前週分の新規失業保険申請件数、9月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数、8月米景気先行指標総合指数などが発表される。
一方、日本では19日に日銀政策金利、7月景気動向指数改定値、20日に8月貿易統計(通関ベース、季節調整前)、7月全産業活動指数などが公表される。また、17日は敬老の日の祝日で休場となる。
来週は18-19日の日銀金融政策決定会合に注目だ。欧州中央銀行(ECB)は6日に無制限の国債購入計画を発表。FRBも量的緩和第3弾(QE3)を決定し、日銀の政策対応に市場の関心が集まるが、失望感を誘う内容となれば円相場が急伸する可能性もあるため注意したい。
来週の円相場は堅調な展開となりそうだ。レンジは1ドル=76.00-78.00円を想定している。FRBのQE3決定を受けてドル先安観が高まっている。FOMC声明では「金融政策の非常に緩和的なスタンスは、景気回復が強まった後もかなりの期間適切なままだ」などの見解が示された。日米の金融緩和スタンスの相違が意識され、円買い・ドル売りが進みやすい地合いが続くだろう。
重要なレジスタンスとして意識されていた6月1日の高値77.652円を上抜けており、2月1日の年初来高値76.027円まで上値余地が広がっている。ただ、13日には中尾武彦財務官が「(為替相場は)明らかに投機的な動きで、このような動きは看過できない」などと語り、政府・日銀による円売り介入も警戒されている。「日銀の追加金融緩和実施とともに、円売り介入が実施される」といった期待も高まりやすく、一方的に円が買われる展開は考えにくい。QE3を好感して世界的に株高が進めば、投資家心理の改善を意識した円売りが出る可能性もあるため留意したい。
(グローバルインフォ株式会社)