
藤井英敏
マネー誌でもおなじみ藤井英敏さんの相場見通しは必見!株式市場の旬な情報をお見逃し無く!投資情報:カブ知恵
06月29日 16時25分
来週の為替見通し/1ドル=78.60-80.50円を想定
今週の円相場は堅調。日本の政局を意識した円売り・ドル買いが先行し25日に80.63円と4月27日以来の安値まで下げた。ただ、「モデル系ファンドから円買い・ドル売りが入った」との声が聞かれたうえ、スペイン、イタリアの国債利回りが上昇したことを受けてリスク回避目的の円買いが強まったため切り返した。
80.00円を突破すると「リアルマネーから円買い・ドル売りが入った」との指摘があり上げ幅を拡大した。28日にはスペインの10年債利回りが7%を突破したことを嫌気し対ユーロ中心に円買いが加速。79.22円と6日以来の高値まで上値を伸ばした。
来週、米国では2日に5月米建設支出、5月ISM製造業景況指数、3日に5月米製造業新規受注、5日に6月チャレンジャー人員削減数、6月ADP雇用統計、新規失業保険申請件数、6月ISM非製造業景況指数、6日に6月米雇用統計などが発表される。
また、2日にウィリアムズ米サンフランシスコ連銀総裁の講演が予定されている。
一方、日本では2日に4-6月期日銀短観、3日に6月マネタリーベース、5月毎月勤労統計調査、5日に対外対内証券売買契約等の状況、6日に5月景気動向調査・速報値などが公表される。
来週は日本では日銀短観に注目したい。製造業景況感は、欧州や新興国の減速懸念を背景に横ばいか、小幅な改善にとどまる見込み。弱い内容であれば、7月11-12日の日銀金融政策決定会合での金融緩和観測が出て一時的に海外勢から円売りが出る可能性がある。
米国ではISM製造業・非製造業景況指数、米雇用統計への反応が大きいだろう。新規失業保険申請件数は38万件台で高止まりしており、米雇用統計に対して大きな改善期待は高まっていない。現時点の予想は、非農業部門雇用者数が前月の6万9000人増に対して9万6000人増、失業率は前月と同じ8.2%となっている。
来週の円相場は買われやすいものの、上値余地は小さいだろう。欧州債務問題や、欧州・新興国の景気減速懸念などが意識されて、リスク志向が高まりにくく円は値を上げやすい。78円台まで上昇することも十分考えられる。しかし、78円台では政府・日銀の円売り介入が意識されて上昇ペースが鈍るだろう。日銀の追加金融緩和観測も重しだ。
注意が必要なのは欧州中央銀行(ECB)の動きだ。5日に定例理事会を開くが、現時点で0.25%の利下げ観測が強まっている。利下げと共に資金供給オペ(LTRO)など追加金融緩和を示唆すれば、株高に連動して円売りが膨らむケースもあろう。その場合は80円台まで下落する可能性がある。レンジは1ドル=78.60-80.50円を想定している。
(グローバルインフォ株式会社)