
藤井英敏
マネー誌でもおなじみ藤井英敏さんの相場見通しは必見!株式市場の旬な情報をお見逃し無く!投資情報:カブ知恵
05月25日 15時46分
来週の相場見通し/日経平均は引き続き調整、戻っても「アヤ戻し」
来週の日経平均は引き続き調整する見通し。仮に、戻る場面があったとしても、それは中的な調整局面の中での「アヤ戻し」に過ぎないとみている。想定レンジは8300円~9100円程度。最大の戻りメドは25日移動平均線(25日現在、9109.52円)。好材料が出ない限り、25日移動平均ベースのボリンジャーバンドの-2σ(同、8368.33円)と-1σ(同8743.36円)との「バンドウォーク」を続ける公算だ。そして、好材料が出れば、25日移動平均線や、200日移動平均線(同、8985.13円)を目指すことになるだろう。
ところで、米シティグループは23日付のリポートで、ギリシャが2013年1月1日にユーロ圏から離脱する可能性が「50~75%ある」と予測したという。シティは、6月の再選挙では財政緊縮策を順守できる政府を樹立できず、政局混迷が続くと指摘しているが、このギリシャの政治混迷長期化見通しは現時点において、市場コンセンサスになっているといっても過言ではない。
このため、多くの投資家は、6月17日のギリシャの再選挙の結果を見極めた上で、ECBによる長期資金供給の再開や、利下げが実行されるとみている。よって、現時点では、買いは適切な政策が打ち出されてからでも十分に間に合うというムードが充満している。こうなると、市場参加者のユーロに対する先安観はさらに強まり、日本株は円高に苦しむことになる。当然これは、長期的な日経平均の上値抑制要因になるだろう。
なお、欧州の成長戦略を決めるEU首脳会議は6月末だ。しかし、23日のEU非公式首脳会議では独仏首脳の溝が鮮明となり、ユーロ共同債や欧州全域での預金保護構想などに対するドイツの消極姿勢が相当強いことが分かった。ギリシャのユーロ離脱懸念やスペインの銀行不安に加え、独仏の対立という問題が加わり、欧州情勢は一段と不透明になった。
ただし、これらの悪材料・不透明要因については、ここまでの下落で日本株は相当織り込んだとみている。このため、今後、さらにショックなネガティブな事件が発生しない限り、日経平均が一段と売り込まれることはないとみてはいる。
しかしながら、信用力が低いギリシャやスペインでは、口座から預金を引き出す動き、「静かなる取り付け」がみられ、南欧は金融恐慌一歩手前との印象だ。特にスペインでは銀行の不良債権比率が急上昇、2008年までは1%前後だったが、足元では8%を超えているという。つまり、何があっても不思議はない状況であり、不測の超ネガティブな事象の発生確率は低くはない。だからこそ、欧州政策当局が市場が待ち望む適切な対応を打ち出すまでは、多くの投資家はリスクオフのスタンスを崩すことはないだろう。
(株式会社カブ知恵 代表取締役 藤井英敏)