
藤井英敏
マネー誌でもおなじみ藤井英敏さんの相場見通しは必見!株式市場の旬な情報をお見逃し無く!投資情報:カブ知恵
03月23日 16時12分
来週の相場見通し/円高を嫌気し、調整色の強い展開を想定
来週の日経平均は、外部環境が劇的に改善しない限り、調整色の強い展開を想定する。22日、ゴールドマン・サックス・グループは、「最近の円安要因が逆転する可能性」があるため、ドルを売って円を買うよう投資家に促したと伝わっている。「円の動きが新年度に少なくとも一部逆転する大きなリスクが存在する」と指摘したという。
実際、2月の貿易統計速報(通関ベース)では、貿易収支は329億円の黒字となった。黒字は5カ月ぶりのこと。1月は過去最大の赤字だったが、円高や世界経済の減速の影響を受けていた輸出の落ち込みが緩やかになったことなどで、僅かながら黒字に転換した。もちろん、今後、恒常的に貿易黒字になるかは不透明だが、赤字が減ったこと自体は、円高要因だ。
また、中国の3月のPMI速報値は前月比1.5ポイント低下の48.1と、4カ月ぶりに悪化した。そして、3月のユーロ圏の総合PMI指数速報値は48.7と前月の49.3から低下し、ユーロ圏のリセッション入りが確実な情勢となっている。さらに、21日発表した2月の米中古住宅販売件数は季節調整済みの年率換算で459万戸となり、前月比0.9%減った。2カ月ぶりの減少だった。これらの中国・欧州・米国のマイナス要因から、目先的には円高圧力が掛かりやすく、これが日経平均の上値を抑制しよう。
テクニカル的に、日経平均は、パラボリックが買い(SARは9812.75円)を継続しているが、新値3本足は陰転した(陽転値10141.99円、陰転値10011.47円)。また、日足ベースの一目均衡表の転換線(23日現在、10030.47円)も割り込んだ。また、MACD(12日-26日、シグナル9日)もデッド・クロスした。また、25日移動平均ベースのボリンジャーバンドでは+1σ(同、10024.75円)を下回った。
このため、中心値(25日移動平均線(同、9790.55円))へのサヤ寄せが強く意識される。この25日移動平均線や、日足ベースの一目均衡表の基準線(同、9693.43円)あたりが来週の下値メドになる見通しだ。一方、上値メドは5日移動平均線(同、10099.37円)を意識しておきたい。結果、来週の想定レンジは9700円~10100円程度。
ただし、3月期企業の権利付き最終売買日は27日であり、そこまでは売り圧力は弱いとみている。売り圧力が強まるとしたら、権利落ち後だろう。それでも、来期以降の国内企業の収益改善期待を背景にした、押し目買いが十分期待できるため、調整が長期化・深刻化するとは考えていない。
(株式会社カブ知恵 代表取締役 藤井英敏)