
藤井英敏
マネー誌でもおなじみ藤井英敏さんの相場見通しは必見!株式市場の旬な情報をお見逃し無く!投資情報:カブ知恵
10月07日 15時38分
来週の為替見通し/1ドル=76.00-77.50円でのレンジ取引
今週の円相場はもみ合いだった。週前半はギリシャの債務問題をめぐる警戒感が強いなかで、仏・ベルギー系金融サービスグループのデクシアの株価が急落し欧金融システム不安が高まった。欧米株価が大幅に下落し、投資家がリスク回避姿勢を強めた。
後半は欧州連合(EU)各国が銀行の資本増強に動くとの観測が広がったうえ、イングランド銀行(英中銀、BOE)や欧州中央銀行(ECB)が相次ぎ金融緩和策の拡大強化を打ち出し、欧債務危機への対応が前進したとの見方が広がった。株価が反発し、投資家のリスク回避姿勢が和らいだ。
もっとも、円とドルがユーロなどに対して同時に売買されたため、円・ドル自体の方向感は乏しかった。今週の高値は76.51円、安値は77.27円で値幅は76銭程度だった。
来週、米国では11日に9月20-21日分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨、13日に8月貿易収支、前週分の新規失業保険申請件数、14日に9月輸入物価指数、9月小売売上高、10月ミシガン大学消費者態度指数速報値、8月企業在庫などが発表される。また、コチャラコタ米ミネアポリス連銀総裁やプロッサー米フィラデルフィア連銀総裁、ピアナルト米クリーブランド連銀総裁などの講演が予定されている。
一方、日本では11日に8月国際収支速報、10月日銀金融経済月報、9月消費者態度指数、9月景気ウオッチャー調査、12日に8月機械受注、13日に9月6-7日分の日銀・金融政策決定会合議事要旨、8月第三次産業活動指数、14日に9月マネーストックM2、9月国内企業物価指数などが公表される。
足もとで、米経済指標に対する市場の感応度は低下しているものの、米実体経済の先行きを占ううえで9月小売売上高などには注意を払いたい。また、11日のアルコアを皮切りに、米企業決算の発表が本格化する。週末には20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議がパリで開催される。
来週の円相場は1ドル=76.00-77.50円でのレンジ取引となりそうだ。EUが経営不振の銀行の資本増強に向けた動きを加速させており、欧米株価は反発傾向にある。くわえて、直近発表された米経済指標には改善の兆しが見られ、米景気に対する悲観論が和らぎつつある。市場では「米指標の改善が続くようなら、市場心理が上向き徐々に円安・ドル高に振れていくだろう」との指摘があった。
ただ、米連邦準備理事会(FRB)が2013年まで低金利を維持する方針を示している以上、円安・ドル高へのトレンド転換には相当時間がかかる。来週から始まる米企業決算については「米企業の業績は海外での売り上げに支えられてきた。中国経済に失速感が出てきたことから、投資家は世界経済が再びリセッションに陥り、米企業利益も圧迫されるのではないかと懸念している」との声が聞かれた。今週と同様に大きなトレンドは期待できない。
(グローバルインフォ株式会社)