
藤井英敏
マネー誌でもおなじみ藤井英敏さんの相場見通しは必見!株式市場の旬な情報をお見逃し無く!投資情報:カブ知恵
09月30日 15時24分
来週の為替見通し/1ドル=76.10-77.50円でのレンジ取引
今週の円相場は上値を切り下げる展開となった。欧州の財政・金融システム不安や世界景気の減速懸念を背景に、投資家がリスク回避姿勢を強め全般に円買いが先行。9月中間期末を控えた国内輸出企業の円買い・ドル売りも入り、一時76.22円まで上げた。ただ、その後は欧州当局による債務危機回避に向けた対応への期待感が高まり、欧米の株価が反発。投資家のリスク志向が改善するとの見方が拡大し、円売りが進んだ。
市場では「政府・日銀による円売り介入への警戒感が根強い」との声も聞かれ、一時77.03円まで下押しした。もっとも、今週1週間のレンジは81銭程度と小さかった。
来週、米国では3日に8月建設支出、9月ISM製造業景況指数、4日に8月製造業新規受注、5日に9月チャレンジャー人員削減数、9月ADP雇用統計、9月ISM非製造業景況指数(総合)、7日に9月雇用統計、8月卸売在庫、8月消費者信用残高などが発表される。また、フィッシャー米ダラス連銀総裁やラッカー米リッチモンド連銀総裁、ロックハート米アトランタ連銀総裁などの講演、バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言が予定されている。
一方、日本では3日に7-9月期日銀短観、4日に9月マネタリーベース、8月毎月勤労統計調査、7日に8月景気動向指数速報値などが公表される。日銀は6-7日に金融政策決定会合を開く。
米国では重要指標の発表が相次ぐ。米経済指標に対する市場の感応度は低下しているものの、9月ISM製造業景況指数や9月ISM非製造業景況指数、9月雇用統計には注意が必要だ。このほか、ユーロ圏財務相会合や欧州連合(EU)財務相理事会、英中銀金融政策委員会(MPC)、欧州中央銀行(ECB)定例理事会など欧州圏でも重要なイベントが続く。
来週の円相場は1ドル=76.10-77.50円でのレンジ取引となりそうだ。ドイツとフィンランドで欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の機能拡充案が承認された安心感は大きいものの、これでギリシャなど欧州の債務が減るわけでもない。本質的な問題の解決には時間がかかる。しばらくは目先の材料に一喜一憂しながら、方向感に欠く動きが続きそうだ。
ある市場関係者からは「米景気減速への過度な懸念が後退したことで円高・ドル安が進みづらい状況ではあるものの、FRBは2013年まで低金利を維持する方針を示している以上、円安・ドル高へのトレンド転換にも相当時間がかかる」との声が聞かれた。もっとも、75円台には損失覚悟の円買い・ドル売り注文が断続的に観測されており、76.00円を上抜けた場合は上値を試す展開が予想される。留意はするべきだ。
(グローバルインフォ株式会社)