
藤井英敏
マネー誌でもおなじみ藤井英敏さんの相場見通しは必見!株式市場の旬な情報をお見逃し無く!投資情報:カブ知恵
05月27日 16時08分
来週の為替見通し/1ドル=80.50-82.50円で方向感に乏しい展開
今週の円相場は小幅高。ユーロやポンドなど欧州通貨絡みの取引が中心で、しばらくは82.00円を挟んだ方向感に乏しい展開が続いた。市場では「82.00円に設定されているオプションの存在が意識されて、小幅なレンジでの値動きに収れんした」との指摘があった。
その後は、米商務省が発表した1-3月期の米国内総生産(GDP)改定値などが予想より弱い内容となったことをきっかけに、米景気の減速懸念からドル売りが優勢となり一時80.89円まで値を上げた。なお、今週の安値は82.216円で値幅は1円32銭程度だった。
来週、米国では31日に3月ケース・シラー米住宅価格指数、5月シカゴ購買部協会景気指数、5月消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)、6月1日に5月チャレンジャー人員削減数、5月ADP雇用統計、4月建設支出、5月ISM製造業景況指数、2日に1-3月期非農業部門労働生産性改定値、4月製造業新規受注、3日に5月雇用統計、5月ISM非製造業景況指数(総合)などが発表される。
また、ピアナルト米クリーブランド連銀総裁やタルーロ米連邦準備理事会(FRB)理事の講演が予定されている。
一方、日本では30日に4月新設住宅着工戸数、31日に4月失業率/有効求人倍率、4月全世帯家計調査、4月鉱工業生産速報値、4月毎月勤労統計調査、6月2日に5月マネタリーベース、1-3月期法人企業統計調査などが公表される。
来週も米国では重要指標の発表が相次ぐが、最大の注目は3日の5月雇用統計だろう。現時点での予想では失業率が8.9%、非農業部門雇用者数変化が20万人増加となっている。
1日に発表されるADP全米雇用統計で市場のバイアスを占う形となる。市場関係者からは「前週発表の5月の米フィラデルフィア地区連銀とニューヨーク連銀の製造業業況指数が予想を大きく下回ったことに続き、今週発表されたリッチモンド地区連銀の製造業業況指数も悪化し予想を下回った。実際のところ、米国の雇用情勢は改善しておらず、経済指標は悪化している」との声が聞かれた。
来週の円相場は1ドル=80.50-82.50円で方向感に乏しい展開となりそうだ。日足チャートを見ると、一目均衡表の雲の中に入り込んでいることが分かる。週末の米重要イベントを前に、テクニカル的に動きづらい状況だ。市場では「6月末で終了する量的緩和第2弾(QE2)後の米国金融政策に大きな変化はないとの思惑から、金利面からポジションを傾けにくい雰囲気が漂っている」との指摘があった。「日本の個人投資家が“上がれば売り、下がれば買い”の逆張り取引を行っていることも影響している」という。
ただ、市場では「82円台では円買い・ドル売りが出やすい」との声が聞かれている。東日本大震災の影響で減産していた国内自動車生産が急回復してきたことなどから、輸出企業からの円買い注文も意識されやすい。仮に、雲の上限が位置する80.89円を上抜けた場合は、一段と上値を追う展開が予想される。
(グローバルインフォ株式会社)