
藤井英敏
マネー誌でもおなじみ藤井英敏さんの相場見通しは必見!株式市場の旬な情報をお見逃し無く!投資情報:カブ知恵
02月04日 15時44分
来週の為替見通し/円相場は1ドル=80.00-82.50円で上値を試す展開
今週の円相場はやや強含んだ。前週末にエジプトの情勢不安が高まったことを背景に、欧米株価が大幅に下落。投資家がリスク回避姿勢を強め、円が買われた流れを引き継いで始まった。1月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値が予想より強い内容だったと分かると、欧州中央銀行(ECB)の利上げ時期が早まるとの観測が浮上しユーロ・ドルが上昇。また、イングランド銀行(BOE)が利上げに動くとの思惑が台頭し、ポンド・ドルも上昇した。対ユーロやポンドでドル安が進んだ影響で、円は一時1月3日以来の高値となる81.31円まで値を上げた。
ただ、中盤以降は伸び悩んだ。米長期金利が上昇し日米金利差拡大への思惑から円売り・ドル買いが出ると一時82.07円まで押し戻される場面があった。トリシェECB総裁が3日、理事会後の記者会見で「インフレ期待はしっかり抑制されている」と述べたことが、市場では「予想ほどタカ派的な内容ではなかった」と受け止められユーロ・ドルが失速。ユーロ安・ドル高につれて対円でもドル買いが入った。
来週、米国では7日に12月消費者信用残高、10日に12月卸売在庫、1月月次財政収支、11日に12月貿易収支、2月ミシガン大学消費者態度指数速報値などが発表される。また、ラッカー米リッチモンド連銀総裁やロックハート米アトランタ連銀総裁、フィッシャー米ダラス連銀総裁などの講演が予定されているほか、バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長が下院予算委員会で経済情勢について証言を行う。
一方、日本では7日に1月外貨準備高、12月景気動向指数速報値、8日に1月マネーストックM2、12月国際収支速報、1月景気ウオッチャー調査、9日に1月消費者態度指数、10日に12月機械受注、1月国内企業物価指数などが公表される。
来週の経済指標では、9日のバーナンキFRB議長の議会証言に注目が集まる。なお、同議長は3日のナショナル・プレスクラブでの講演で「今年はおそらく経済成長ペースが加速すると予想するが、失業率はFRB政策担当者が長期的に責務と一致するとみなす水準を上回り、インフレ率は引き続きこれを下回るだろう」と発言。「物価安定と雇用促進に向けて必要に応じて同プログラムを調整していく」とした。
このほか、米財務省は総額720億ドル規模の四半期定例入札を行う。円相場は米国の長期金利との相関性が高いため、国債入札の結果にも注意したい。
来週の円相場は1ドル=80.00-82.50円で上値を試す展開となりそうだ。足もとで発表された米経済指標が相次いで強い数字となったにもかかわらず、ドル買いでの反応が鈍くなっている。市場関係者からは「よほどのサプライズがない限り、ドル高方向へは進みにくいのではないか」との声が聞かれた。
1月3日の高値80.93円を上抜ければ、損失覚悟の円買い・ドル売り注文を誘発し上昇に弾みが付く公算が大きい。「心理的節目の80.00円や、史上最高値の79.75円が視野に入り始めている」と指摘する市場参加者もいる。
もっとも、今後の動きは今晩の1月米雇用統計の結果次第だろう。失業率が9.5%、非農業部門雇用者数変化が前月比14.5万人増となっており、予想からどの程度ぶれるかが焦点だ。
(グローバルインフォ株式会社)