
藤井英敏
マネー誌でもおなじみ藤井英敏さんの相場見通しは必見!株式市場の旬な情報をお見逃し無く!投資情報:カブ知恵
12月10日 16時11分
来週の為替見通し/レンジは1ドル=83.00-85.94円を想定
今週の円相場は高く始まったものの、上値が重かった。米労働省が3日発表した11月の米雇用統計が予想より弱い内容となったことを受け、米雇用市場の回復期待が大幅に後退しドルが売られた流れを引き継いだ。
中国の地元新聞社が7日、「中国は今週末に政策金利を引き上げる可能性がある」と報じたことなどを理由に、一時11月12日以来の高値となる82.34円まで上げた。ただ、オバマ米大統領が今年末で失効する「ブッシュ減税」を、富裕層を含むすべての所得層を対象に2年間延長することなどで共和党と合意したことを受けて米長期金利が急上昇。日米金利差拡大への思惑から円売り・ドル買いが進み84円台前半まで押し戻された。
来週、米国では14日に11月卸売物価指数(PPI)、11月小売売上高、10月企業在庫、米連邦公開市場委員会(FOMC)、15日に11月消費者物価指数(CPI)、12月ニューヨーク連銀製造業景気指数、10月対米証券投資、11月鉱工業生産、12月NAHB住宅市場指数、16日に7-9月期経常収支、11月住宅着工/許可件数、12月フィラデルフィア連銀製造業景気指数、17日に11月景気先行指標総合指数などが発表される。また、ロックハート米アトランタ連銀総裁の講演が予定されている。
一方、日本では14日に10月鉱工業生産・確報値、15日に10月第三次産業活動指数、日銀・企業短期経済観測調査(短観、12月調査)などが公表される。
14日のFOMCでは、国債買い入れプログラムについて話し合うとみられるが、市場では「6000億ドルの国債買い入れ方針の変更が示唆されることはない」と予想しており、声明で示される景気認識などに注目したい。また、足もとで米金利の動向に市場の注目が集まっていることもあり、11月PPIやCPIなど物価指標も相場への影響度が高そうだ。日本では、10-12月期日銀短観が一番の材料となるが、予想値からのブレに注意したい。
来週の円相場はじり安となりそうだ。「マーケットでは迷いながらも今後の米景気への楽観的な見方が出始めており、米国債を買い進めるのは難しい」といい、米金利が低下に向かうと見る市場参加者は少ない。
ブッシュ減税については米国内総生産(GDP)を押し上げる要因になるとして、2011年の米GDP見通しを引き上げるエコノミストが相次いでいる。仮に米金利の上昇傾向が続けば、日米金利差拡大への思惑から円安・ドル高が進む可能性は高い。
市場では「決算期末へ向けて米企業の本国への資金送金に伴うドル買いが加われば、円相場は一段安となる公算が大きい」との指摘もあった。とはいえ、円の下値では日本の輸出企業からの円買い注文が厚く、下落のスピードは緩やかなものになると考えられる。なお、レンジは1ドル=83.00-85.94円を想定している。
(グローバルインフォ株式会社)