
藤井英敏
マネー誌でもおなじみ藤井英敏さんの相場見通しは必見!株式市場の旬な情報をお見逃し無く!投資情報:カブ知恵
10月22日 15時10分
来週の相場見通し/G20次第だが、メインシナリオは、大底形成局面の到来
本日から明日23日に韓国で開くG20財務相・中央銀行総裁会議において、参加各国は自国通貨を安値に誘導する通貨安競争の回避策を協議する予定です。具体的には「フレームワーク」と呼ばれる政策協調の枠組み整備を検討するということです。G7で実施してきた経済政策の相互監視の網を新興国に広げ、通貨安競争の回避を目指すとみられています。
なお、今回のG20財務相・中央銀行総裁会議開催を前に、ガイトナー米財務長官がドル安政策を取らない考えを言明したり、中国は2年10カ月ぶりの利上げを実施しました。G20内での通貨安競争の回避を模索する動きが出始めていることも事実です。ただし、通貨の安定や投機資金の動きを巡り、先進国と新興国との間で対立が鮮明となっているため、G20での国際的な協調路線の確立は容易ではありません。
このため、今回の会議でなんらかの合意形成がなされないと、円相場は1995年4月につけた対ドルでの史上最高値の79円75銭を試す、若しくは、上抜く可能性が高そうです。19日に中国人民銀行の利上げ発表を受け、ヘッジファンドなどがいったんドル売りの持ち高を縮小したため、ポジションに余裕が生じ、改めてドル売りを仕掛けやすくなっている点には注意が必要でしょう。
なお、現在の為替相場が続くと、10年度通期の平均為替レートは1ドル=85円程度となるとみられます。2年前は約100円、1年前は約93円だったため、わずか2年間で15円程度も円高が進むことになります。野村証券によると、1円の円高は主要上場企業400社の経常利益を0.5%押し下げるとも伝わっています。
ただし、この点については、株式市場は相当分織り込み済みとみます。つまり、現在水準から多少円高に振れても、日経平均の下値は限定的とみています。そうはいっても、79円75銭を超える円高になるケースでは、これを売り材料にした先物への売り仕掛けは入る可能性は高く、9月1日安値8796.45円付近までの下落は覚悟しなくてはならないでしょうが。
一方、ここ最近までのドル安の巻き戻しが起こるまでは、日経平均の上値は非常に重い状態が維持される見通しです。テクニカル的には、下降する26週移動平均線(22日現在、9629.76円)が強力なレジスタンスとして機能するでしょう。これをブレイクするには、ドルの対円での明確な底入れが絶対条件とみています。
ところで、信用評価損益率は、15日申し込み時点でマイナス19.31%と、前週からマイナス幅が1.61ポイント拡大しました。昨年11月27日申し込み時点のマイナス22.16%以来、約10カ月半ぶりの水準となっています。信用個人の手の内は著しく悪化しており、相場が崩れるようだと、追証発生・回避に向けた投げ売りの最終局面(セリング・クライマックス)が訪れる可能性があります。
よって、来週は、G20財務相・中央銀行総裁会議の結論に大きく左右されるでしょうが、現時点では、円高進行とそれを嫌気した日経平均の下落、同時に、信用買い方の投げ売りによる大底形成局面の到来をイメージしています。想定レンジは8800円~9600円程度です。
(株式会社カブ知恵 代表取締役 藤井英敏)