
藤井英敏
マネー誌でもおなじみ藤井英敏さんの相場見通しは必見!株式市場の旬な情報をお見逃し無く!投資情報:カブ知恵
09月24日 16時08分
来週の相場見通し/日経平均は、13週線と26週線とで挟まれたゾーンがメイン
7日に尖閣諸島沖で起きた海上保安庁の巡視船と中国漁船の衝突事件を巡り、中国が日本への圧力を強めています。しかし、船長の拘置期限を迎える29日を前に、那覇地検は、24日、中国人船長を処分保留で釈放すると発表しました。船長が起訴されれば中国世論の一層の反発は必至の情勢でした。そうなれば、中国政府は追加の対抗策を打ち出し、深刻な日本経済への影響が懸念される見通しでした。それだけに、今回の処置は、東京株式市場にとってはポジティブに作用するでしょう。
なお、日銀が29日に発表する9月短観の民間調査機関の予測は、大企業製造業DIの予測中心値はプラス6で、前回6月調査比5ポイント改善する見通しです。改善幅は前回の15ポイントから縮小します。円高による収益圧迫懸念で、企業心理の改善が鈍るとみられています。ですが、政府・日銀による為替介入や、財政出動もみえているため、過度の悲観に市場が傾くことはないでしょう。
ただし、23日のNY債券市場では米長期債相場は5日続伸です。10年物国債利回りは前日比0.01%低下の2.55%で取引を終えました。一時は2.48%と、8月31日以来ほぼ3週間ぶりの低水準を付けました。この米長期金利低下が続く限り、為替相場でのドル安・円高基調は継続する見通しです。円高基調に変化が生じない限り、輸出株指数の日経平均の上値は非常に重いとみておく必要があります。
テクニカル的には、来週の日経平均に関しては、13週移動平均線(24日現在、9360.21円)と26週移動平均線(同、9883.10円)とで挟まれたゾーンをメインレンジとみています。13週移動平均線を割り込むケースでは、9月のSQ値9150.32円付近までの調整を覚悟する必要はあるでしょう。ただし、13週移動平均線を割り込むには、米株の値幅を伴った急落や、円高の更なる進行が必要です。逆に、米株・円相場が比較的落ち着いた動きを続けるようなら、売り物薄の中、26週移動平均線を目指す可能性が高いとみています。
ところで、個人の日本株離れも深刻になってきています。証券会社の取引口座の増加数は、2010年4~8月に大手証券3社の合計で前年同期に比べ4割減少し、ネット証券も7月以降、口座数の伸び率が過去最低を更新しています。8月の東証1部の売買代金は6年ぶりの低水準となっていることからも、デイトレーダーなど短期筋の取引頻度も落ちていることは明白です。正直、円高が明確に終わり、日本株の先高観が強まるまでは、個人投資家が東京株式市場に戻ってくることはないでしょう。このため、来週以降も相場に活気が戻り、商いが膨らむことはないとみています。
(株式会社カブ知恵 代表取締役 藤井英敏)