
藤井英敏
マネー誌でもおなじみ藤井英敏さんの相場見通しは必見!株式市場の旬な情報をお見逃し無く!投資情報:カブ知恵
05月28日 16時39分
来週の為替見通し/1ドル=88.50-92.50円で方向感が定まりづらそう
今週の円相場は伸び悩んだ。スペイン銀行(中央銀行)が22日、経営難に陥った貯蓄銀行のカハスールを管理下に置くと発表したことをきっかけに、欧州の金融システムへの懸念が高まり、欧米株価が大幅に下落。投資家が運用リスクを回避する動きを強め、低金利の円が買われた。一時89.26円まで値を上げた。
ただ、その後は上値を切り下げる展開に。各国の欧州資産離れへの警戒感が後退し欧米株価が急反発したため、いったん円の買い持ち高を解消する動きが出た。一時91.36円まで下押しした。
来週、米国では6月1日に5月ISM製造業景況指数、4月建設支出、2日に5月チャレンジャー人員削減数、4月住宅販売保留指数、3日に5月ADP雇用統計、4月製造業新規受注、5月ISM非製造業景況指数、1-3月期非農業部門労働生産性改定値、4日に5月雇用統計などが発表される。
また、バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長やエバンズ米シカゴ連銀総裁、プロッサー米フィラデルフィア連銀総裁、ロックハート米アトランタ連銀総裁などの講演が予定されている。
一方、日本では5月31日に4月鉱工業生産速報値、4月毎月勤労統計調査、4月新設住宅着工戸数、2日に5月マネタリーベース、3日に1-3月期法人企業統計調査などが公表されるほか、白川日銀総裁の講演が予定されている。
来週の経済指標では、1日の5月ISM製造業景況指数や3日の5月ISM非製造業景況指数、4日の5月雇用統計などに注目が集まる。特に5月雇用統計は相場への影響度が高い。
現時点の予想では、失業率が前月の9.9%から9.8%へ低下し、非農業部門雇用者数変化が前月の29万人増から50万人増へ改善する見込みとなっている。
このほか、4-5日に韓国で開かれる20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議にも注目したい。
来週の円相場は、1ドル=88.50-92.50円で方向感が定まりづらそうだ。米雇用統計をはじめ各経済指標で米国の実体経済の改善傾向が示されれば、ドルが買われる公算が大きい。株高などで投資家のリスク回避姿勢が和らぐとの見方が広がれば、低金利の円はさらに売られやすくなるだろう。
半面、市場の緊張は緩んだわけではない。英国銀行協会(BBA)が発表する3カ月物ドル建てロンドン銀行間取引金利(LIBOR)は昨年7月以来の水準まで上昇しており、「短期的にクレジット環境が厳しくなり、企業活動や経済全体に悪影響を及ぼす可能性がある」と警鐘を鳴らす市場関係者もいた。しばらくは、目先の材料に一喜一憂する神経質な展開が続くとみている。
(グローバルインフォ株式会社)