
藤井英敏
マネー誌でもおなじみ藤井英敏さんの相場見通しは必見!株式市場の旬な情報をお見逃し無く!投資情報:カブ知恵
05月21日 14時42分
来週の相場見通し/政策当局の対策の有無次第で、相場の景色は180度異なる
欧州発の金融不安が、ドイツでの国債空売り規制など金融規制の強化の動きで増幅されました。投資家は欧州株からの資金引き揚げを加速させ、それがユーロ安、欧州株安となり、それを日米株式市場が嫌気するという悪循環に陥っています。
現状の混乱を受け、ガイトナー米財務長官は26日から英国とドイツを訪問し、英国のオズボーン新財務相、トリシェ欧州中央銀行(ECB)総裁らと会談するということです。長官は24~25日の北京での米中戦略・経済対話に出席し、その帰途に欧州を訪問するそうです。
日経平均は4月5日の11408.17円を天井に、1ヶ月強の調整を続けています。そして、2月9日の安値9867.39円も割り込んでしまいました。この過程において、4月のテクニカル指標の過熱感は完全に解消されました。とりわけ、底値発見機能に優れているとされる東証一部の騰落レシオ(25日移動平均)は20日には、70%台にまで低下しています。つまり、テクニカル・リバウンドがいつ発生しても不思議はない状況です。
ですが、反発局面に入るには、それを正当化する「理由」、「きっかけ」が必要です。今回の金融不安の震源地は欧州です。ユーロ安、欧州株安に歯止めが掛からない限り、世界の株式市場に安心感が広がることはないでしょう。その意味では、ガイトナー米財務長官の英国・ドイツ訪問は、反発のきっかけとなることが期待されます。
現時点で、予想される対策は、日米欧を中心とする世界の中央銀行によるユーロ買い協調介入や、ドイツでの国債空売り規制を他のEU加盟国も導入し、足並みを揃える、などが挙げられます。いずれにせよ、市場の不安・動揺を抑えるべく、政策当局が行動し、市場に対してポジティブなアナウンスを出し続けることが、底打ちには必要だと思います。
そのような有効な対策が講じられるまでは、世界の株式市場の不安定状況は継続するとみています。その場合の日経平均の想定レンジは9000円~10200円程度です。逆に、土日に新たなポジティブな対策の発表があるならば、週初から売り方の買戻しで、リバウンド色を強めるでしょう。このケースでの想定レンジは9600円~10600円程度です。つまり、政策当局の対策の有無次第で、相場の景色は180度異なることになるとみています。
(株式会社カブ知恵 代表取締役 藤井英敏)