
藤井英敏
マネー誌でもおなじみ藤井英敏さんの相場見通しは必見!株式市場の旬な情報をお見逃し無く!投資情報:カブ知恵
05月07日 19時39分
来週の為替見通し/1ドル=88-93円のレンジで方向感が定まりづらそう
今週の円相場は上昇。欧州債券市場では、ギリシャやポルトガル、スペインの各国債のドイツ国債に対するプレミアム(上乗せ金利)がユーロ導入来最大水準まで拡大。ギリシャの債務危機が欧州各国に飛び火し、信用不安が拡大することへの懸念が高まると、投資家が運用リスクを回避する動きを強めたため、円の買い戻しが広がった。
6日の米国株式市場でダウ工業株30種平均が1000ドル近く下落すると、円買いが加速し一時2009年12月10日以来の高値となる87.95円まで急伸した。
ただ、その後は「米国株の急落は人為的ミスによる可能性が高い」として米株価が急速に下げ幅を縮小したうえ、急ピッチで円高が進んだ反動で91円台後半まで伸び悩んだ。
来週、米国では5月11日に3月卸売在庫、12日に3月貿易収支、4月月次財政収支、13日に4月輸入物価指数、前週分の新規失業保険申請件数、14日に4月小売売上高、4月鉱工業生産、5月ミシガン大学消費者態度指数速報値、3月企業在庫などが発表されるほか、コチャラコタ米ミネアポリス連銀総裁やラッカー米リッチモンド連銀総裁、ロックハート米アトランタ連銀総裁、プロッサー米フィラデルフィア連銀総裁、ローゼングレン米ボストン連銀総裁、ブラード米セントルイス連銀総裁などの講演が予定されている。また、米財務省は総額780億ドルの国債入札を行う。
一方、日本では10日に日銀・金融政策決定会合議事要旨(4月6-7日分)、12日に3月景気動向指数速報値、13日に3月国際収支、4月マネーストックM2などが公表される。
来週の経済指標では、14日の4月小売売上高や5月ミシガン大学消費者態度指数速報値が相場への影響度が高いだろう。また、円・ドル相場は米国の長期金利との相関性が高いため、米国債の入札にも注目したい。
来週の円相場は、1ドル=88-93円のレンジで方向感が定まりづらそうだ。
6日のニューヨーク市場で円は一時87.95円まで上昇したものの、市場関係者からは「米国株価の急落を受け機械的に損失を確定する反応を示した」との声が聞かれた。改めて88円台以上の円高・ドル安が進むには「材料不足」との指摘もあった。
半面、信用不安に直面するギリシャをはじめポルトガルやスペインの財政問題は長期化する可能性が高い。
投資家がリスクを敬遠する地合いが続けば、円には「安全資産」としての買いが入りやすいだろう。欧州の財政問題の落ち着きどころが見えてくるまでは、目先の材料に一喜一憂する不安定な値動きが続きそうだ。
ただ、日本時間今晩発表される4月米雇用統計の結果には注意が必要だ。現時点の予想では、失業率が前月と同じ9.7%、非農業部門雇用者数変化が前月の16万2000人増から19万人増へ改善する見込みとなっている。
(グローバルインフォ株式会社)