
藤井英敏
マネー誌でもおなじみ藤井英敏さんの相場見通しは必見!株式市場の旬な情報をお見逃し無く!投資情報:カブ知恵
04月30日 15時42分
来週の為替見通し/1ドル=92-95円のレンジで推移すると見込む
今週の円相場は上値が重かった。ギリシャ救済実施に向けたドイツの合意に対する過度の期待がはく落する中、米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)がポルトガルとギリシャの格付けを引き下げたことを受け、欧州諸国の信用不安が改めて意識された。
対ユーロ中心にリスク回避的な円買いが強まると、ドルに対しても円買いが進んだ。一時92.81円まで値を上げた。ただ、その後は上値を切り下げる展開に。
米連邦公開市場委員会(FOMC)声明で「長期に渡り、異例の低金利は正当化される可能性が高い」として、これまでの金融政策スタンスが維持され、労働市場と家計支出の判断が上方修正されると、米国株が上昇。
投資家のリスク志向が改善するとの見方から円売り・ドル買いが出た。ギリシャへの金融支援の実施が近いとの観測が広がり、ギリシャ情勢への過度の懸念が後退したことも円の重しとなった。
来週、米国では5月3日に3月個人消費支出(PCE)、4月ISM製造業景況指数、3月建設支出、4日に3月製造業新規受注、3月住宅販売保留指数、5日に4月ADP雇用統計、4月ISM非製造業景況指数、6日に1-3月期非農業部門労働生産性速報値、7日に4月雇用統計、3月消費者信用残高などが発表される。
また、バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長やローゼングレン米ボストン連銀総裁、ラッカー米リッチモンド連銀総裁、エバンズ米シカゴ連銀総裁、プロッサー米フィラデルフィア連銀総裁などの講演が予定されている。
一方、日本では6日に日銀・金融政策決定会合議事要旨、7日に4月マネタリーベースなどが公表される。
来週の経済指標では、4月米雇用統計に注目が集まる。現時点の予想では、失業率は前月と同じ9.7%、非農業部門雇用者数変化が前月の16万2000人増から17万6000人増へ改善する見込み。このほか、バーナンキFRB議長など米金融当局者の講演にも注目が集まる。
来週の円相場は、1ドル=92-95円のレンジで推移すると見込む。ギリシャ金融支援の実施の方向性が固まってきたことで、リスク回避の動きが後退しつつある中、米国の低金利政策が続くとの見方から米国株が底堅く推移すれば、リスク志向の高まりから円安圧力がかかりやすい。半面、ドイツでは、与党内においてもギリシャ支援慎重論が根強い。
市場関係者からは「5月9日の地方選挙を前に、有権者に不人気な政策を訴えにくい事情がある。予断を許さない状況だ」との声が聞かれた。ギリシャ救済実施への不透明感が再び高まれば、円は買われるだろう。また、国内輸出企業は大型連休中、指値での円買い注文を入れておくケースが多い。円の下値では輸出勢の円買い注文の厚さも意識される。
(グローバルインフォ株式会社)