三空
2010年1月4日から運用開始の、東証次世代システム arrowhead に迫ります!おなじみ三空が東京証券取引所様に突撃取材を敢行!トレーダー必見です!!!
12月08日 17時34分
(三空)現在は個人でネットの証券会社を通じて注文を出した場合、板に反映されるまで数秒のラグがありますが、arrowheadになることで速くなると考えて良いのでしょうか?
実際に個人投資家が眼で見て速く感じるかどうかは、利用する個々の証券会社の回線の太さ、情報端末のスペック、ソフトウェアの性能など、証券会社が個人に提供するインフラの能力に依存する部分が大きくなると思われます。ただし、少なくとも、東証のホストコンピューターでの処理は相当速くなっていますので、利用する証券会社によっては今までよりかなり速く感じるかもしれません。
(三空)大証さんのシステムと比較するとarrowheadの方が優れているといえるでしょうか?
どちらの使い勝手が良いかを判断するのは投資家の皆様ですので、私どもからは何とも申し上げられません。ただ、高速性という観点でいうと、私どもが聞き及んでいる限り、arrowheadの方が速くなると考えております。いずれにせよ、東証としては、世界最高水準の取引所システムを目指してarrowheadの構築を進めてまいりましたので、是非御期待いただければと思います。
(三空)なるほど。細かいご質問をしたいのですが、1日の最大処理件数や、板の更新頻度等はどうなりますか?
まず、最大注文処理件数について、現行システムは1日当たり2800万件である一方、 arrowheadでは、稼働当初4600万件程度になる予定です。現状から大幅にアップしますので、以前のようなキャパシティオーバーが発生する可能性は極めて小さくなると考えられます。また、注文の付合せ間隔について、現在は3秒ごとに約定処理を行っていますが、arrowheadでは、注文を板に取り込み、約定条件が満たされてさえいればリアルタイムに即時約定することとなります。
例えば、一度に5ティック変動するような注文が出た場合、現行システムでは1回の付合せごとに3秒かかるので、約定終了までに15秒を要していますが、arrowheadではこうした注文がほぼ瞬時に約定することになります。ただし、1つの注文による買上がりまたは売下がりによって更新値幅の2倍を超えるような場合は、今回から新たな制度として「連続約定気配」を表示することにしております。
(三空)「連続約定気配」とはなんですか?
arrowheadでは約定処理を格段に速く行えるようになりますので、その利点を活かす観点から、更新値幅の2倍以内であれば基本的に即時約定できることとしました。ただし、1つの注文による買上がりまたは売下がりによって、現在値から更新値幅の2倍を超えるような場合、更新値幅の2倍の価格までは即時約定させ、その価格で一時的に気配を表示します。これが「連続約定気配」です。この連続約定気配は1分継続します。なお、更新値幅についても株価に応じて若干の拡大を図っています。
(三空)この連続約定気配の後はどうなるのでしょうか?
連続約定気配表示後については、反対注文が発注され当該連続約定気配が表示された値段で合致要件を満たすことになれば即時に約定することになります。対当するような反対注文が発注されない場合には、1分間連続約定気配が表示され、その後、更新値幅の範囲内で合致要件を満たしていればその値段で約定することとなります。仮に、更新値幅の範囲内では合致要件を満たしておらず、更新値幅を超える価格変動が見込まれる注文状況である場合は、現在と同様、更新値幅の上限または下限の値段に特別気配を表示します。具体的な数字で説明しますと、現在値が600円の銘柄があったとして、この状態から数量の大きい成行の買注文が出されたとします。600円の銘柄の更新値幅は10円ですので、601円、602円と、更新値幅の範囲内の間隔で買い上がる限り、620円までは直ちに約定します。
そして、620円を超えて買い上がるような場合には、620円に連続約定気配を表示し、一旦買上がりを止めます。連続約定気配表示後は、板寄せ方式で付合せを行うこととなり、売注文と買注文が対当している値段が更新値幅の範囲内であれば連続約定気配を表示した1分後に約定させ、対当値段が更新値幅の範囲外である場合は、当該連続約定気配を更新して買い特別気配を表示します。例えば640円で対当していた場合、630円に買い特別気配を表示するというわけです。特別気配を表示した後は現状と同じで、板寄せ方式で付合せを行い、約定しなければ5分ごとに特別気配の値段を更新していきます。なお、この連続約定気配はザラ場中の制度になりますので、寄付きなど板寄せ方式で付合せを行う場面では表示されません。
中編へ続く