三空
2010年1月4日から運用開始の、東証次世代システム arrowhead に迫ります!おなじみ三空が東京証券取引所様に突撃取材を敢行!トレーダー必見です!!!
12月08日 17時34分
(三空)まず最初に、東証の次世代システム arrowhead(アローヘッド) とは何か、来年の1月4日から始まること以外、個人投資家はあまり理解していないと思いますので、概要を教えて頂けますでしょうか。
arrowheadとは、東証の次期株式・CB売買システム(注文同士をマッチングして売買を成立させるシステム)のことで、現在稼働中の売買システムとは全く異なる新しいコンセプトの売買システムです。4年ほど前に取引所システムを巡って様々な問題が顕在化したことを契機に、その中で指摘された課題を踏まえ、次世代の東京市場を担う売買システムとして開発されました。
現在の売買システムは、海外の先進的な取引所と比べてスピードが遅く、容量も限られていると言われています。国際的な市場間競争が激化する中、海外と遜色のないインフラを構築しないと、日本市場は単なるローカルマーケットになってしまうのではないかとの危機感のもと、今から3~4年前に、当時の与謝野金融担当大臣のもとで取引所システムの問題などについて議論がなされました。
その結果、我が国取引所市場は日本の資本市場経済の中心であるとともに、国際的にも通貨「円」からなる資産価値のある一大市場であることから、ニューヨーク、ロンドンなどの海外主要市場に引けを取らないインフラの構築が望まれる、との提言がなされました。東証では、こうした提言を契機として、これまでと異なる新しいコンセプトで世界最高水準の取引所システムを構築するべく検討を開始しました。2006年初めに検討を開始し、数次にわたる取引参加者との議論経て、同年9月にシステム開発のコンセプトを「次世代システム構築の計画概要書」として取りまとめました。この概要書は東証ホームページで公表しています。 arrowheadの構想には、このような背景があるという事をまずご理解ください。
さて、arrowheadの開発にあたっては、この計画概要書に掲げたコンセプト「安全性・拡張性」、「高速性」、「柔軟性」、「堅牢性」それぞれの観点から世界最高水準の取引所システムを目指して開発を進めました。
まず、「安全性・拡張性」については、2006年1月のいわゆるライブドアショックに伴い約定件数がシステムのキャパシティをオーバーしそうになり、全銘柄の売買を停止する事態が発生したことから、そうした事態が発生せぬよう、円滑な取引の確保のために十分なキャパシティを確保し、さらにもしもの場合に備えて迅速な拡張が容易に行える設計としました。
次に「高速性」については、現行システムでは、投資家からの注文を受け付け、注文受付通知を返すまでの時間や、注文を板に取り込み、約定させ、約定通知を返すまでの時間が、海外の取引所に比べて長くかかっていましたので、arrowheadでは注文受付通知を10ミリ秒以下、約定通知を40ミリ秒以下で返すことを目標に設計しました。
「柔軟性」については、何らかの制度変更や仕様変更が必要になった場合に、システムの改修作業を短期間に行うことができるよう、基本的にシンプルな設計を行い、柔軟性のあるシステム構成としました。
そして、最後の「堅牢性」については、災害やシステム障害などにより取引が出来なくなる状況を極力発生させぬよう、バックアップサイトを新たに設け、システムダウン時も切替作業によって取引を継続して行うことができる環境を構築しています。