
藤井英敏
マネー誌でもおなじみ藤井英敏さんの相場見通しは必見!株式市場の旬な情報をお見逃し無く!投資情報:カブ知恵
03月18日 15時26分
来週の相場見通し/15日に底入れも、原発事故解決までは上値は重い
G7財務相・中央銀行総裁は18日朝に開いた電話会議で、外国為替市場への協調介入を実施し、円高を阻止することで合意した。18日の東京外国為替市場では介入実施で円相場が1ドル=81円台後半まで大幅に下落した。G7による協調介入は2000年9月にユーロ安を阻止する目的で実施して以来、約10年半ぶりのこと。東日本巨大地震や原子力発電所事故の影響に苦しむ日本経済にとって、協調介入により円高に歯止めが掛かったことはポジティブだ。
日経平均の2月17日の高値10891.60円から3月15日の8227.63円までの下げ幅は2663.97円。この三分の一戻しが9115.62円、38.2%戻しが9245.27円、半値戻しが9559.62円、61.8%戻しが9873.96円。現時点では、当面の最大の戻りメドは半値戻し(9559.62円)レベルをメインに考えている。来週の想定レンジは8800円~9500円程度。そして、戻り一巡後は、1番底である3月15日安値に対する2番底をつけにいく展開をイメージしている。株価の値動きとしては、25日移動平均線ベースのボリンジャーバンドのマイナス3σ(18日現在、8418.74円)とマイナス1σ(同、9691.26円)との間で推移するとみている。また、原発事故が一段と悪化しない限り、ボラティリティーは低下していく公算が大きい。
なお、17日、ひまわり証券(8738)が、証券事業を廃止すると発表した。証券事業については、今般の日経平均株価指数の急激な下落により多数の顧客が損失を蒙り、多額の立替金が生じていることから、今後の証券事業の収益性を鑑み、同事業から撤退し、黒字事業である外国為替証拠金取引に注力することにした。また、松井証券(8628)も、17日、11年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震後の株式相場の急落に伴い、同社における先物・オプション取引顧客について、決済損に対する不足金が35億円発生したと発表した。不足金の主な発生要因はオプションの売建によるものだという。
11日~15日にかけての相場急落は、株価指数先物やオプションなどのデリバティブ取引及び信用取引での追証発生に伴う、損切りのみならず、強制執行が、仕掛け花火のごとく、次々と連鎖執行されたことによって、引き起こされたとみられる。なお、15日までで、投げるべき人が投げ切ったため、足元の株式需給は相当改善しているものと観測される。よって、3月15日の8227.63円は当面の底値になった感が強い。
ただし、底を入れた、イコール、相場が上がるというわけではない。最大の理由は、東京電力福島第1原子力発電所の危機的な状態は続いているからだ。政府や東電の努力むなしく、放射性物質が大量に放出された場合、100年以上にわたって立ち入れなくなる地域が出るとみられている。当然、同時に多くの人命が失われ、深刻な健康被害が引き起こされることだろう。このため、福島第1原子力発電所の原子炉が安定冷却状態になるまで、腰の入った買いは期待薄とみる。
(株式会社カブ知恵 代表取締役 藤井英敏)