
藤井英敏
マネー誌でもおなじみ藤井英敏さんの相場見通しは必見!株式市場の旬な情報をお見逃し無く!投資情報:カブ知恵
03月18日 15時53分
来週の為替見通し/レンジは1ドル=80.00-85.00円を想定
今週の円相場は荒い値動き。11日の東日本巨大地震を受けて、国内投資家が外貨資産を円に戻すとの思惑から、投機的な円買い・ドル売りが先行。震災を受けた福島第一原子力発電所のトラブルが深刻な状況に陥っているとの見方が広がり、日経平均が1000円超下落すると投資家が運用リスクを回避するとの見方が拡大し円高に拍車が掛かった。心理的節目の80.00円や1995年4月19日の高値79.75円を上抜けてストップロス注文を巻き込むと、史上最高値となる76.25円まで上値を伸ばした。
ただ、週末にかけては急速に押し戻された。短期間に急ピッチで上昇した反動が出たほか、政府・日銀による円売り介入への警戒感から持ち高調整の円売りが優勢に。主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁による18日の電話会議で協調介入に合意し、政府・日銀が円売り介入を実施すると81円台後半まで急速に円安が進んだ。
来週、米国では21日に2月中古住宅販売件数、22日に1月住宅価格指数、3月リッチモンド連銀製造業指数、23日に2月新築住宅販売件数、24日に2月耐久財受注額、25日に10-12月期実質国内総生産(GDP)確定値、3月ミシガン大学消費者態度指数確報値などが発表される。
一方、日本では22日に1月全産業活動指数、24日に2月貿易統計(通関ベース)、25日に2月全国消費者物価指数(CPI)、3月東京都区部CPI、2月企業向けサービス価格指数などが公表される。
来週は米国の住宅統計やGDPなど重要な指標が予定されているものの、大きな材料とはならない見通し。今週と同様に、日本の地震や原発事故に関連した報道が為替に影響を与えるだろう。
来週の円相場は軟調な展開になると予想する。市場ではG7協調介入について「日本の単独介入を容認するという内容にとどまるとみていたが、協調介入で合意したことは予想外。スピード感ある対応であり評価できる」との指摘があった。センチメントにも好影響として働き、一段の円高には歯止めがかかりそうだ。
ある市場関係者からは「76-80円台の円高トリガーが一掃され、今後の円安回帰への足枷の一つが消えた。中期的にみれば日本の貿易収支の悪化や日銀の金融緩和スタンス、内外景況格差・金利差の拡大により、円安が進む可能性がある」との声も聞かれた。
もっとも、日本の地震による悪影響は見極めがつかない。くわえて、円の下値では実需の円買い注文が断続的に観測されているため、今後円安のスピードは緩やかなものになりそうだ。なお、レンジは1ドル=80.00-85.00円を想定している。
(グローバルインフォ株式会社)