【あらすじ】
フル・インベストではないとプロデューサーにいちゃもんを付けられ、びびっていた萌絵だが、彼のいちゃもんにはさして根拠が無いことだけが分かったが、相変わらず投資の何たるかは理解できなかった。
「フル・インベストメントについては理解できましたね。次の質問は何でしょう?」
「O谷さんがいつも口にしているバリュー投資ってどういう意味か教えてほしいんです」
「バリューというのは英語で値打ちがあるという意味ですが、これは専門用語なので割安株投資という意味になります」
「それだけですか?」
「それだけです」
しーん。
彼と会話をしていると、話が途切れることが多いのは何故だかだんだん分かってきた。彼は、自分が分かっているので分からない人間に物を教えるとはどういうことか分かっていないから一言で十分だと思い込んでいるのだ。
「そうじゃないと思います!」
「では、何でしょう?」
「O谷さんは、バリュー株を選ぶときにピーイーとかで選ぶって言ってます!株の値段が安いとかって言ってません!」
「それはそうです。株の値段が絶対的に高いとか安いとかなんてことは言えないですからね」
「えっ!どういうこと?さっき割安かどうかで買うって仰ったじゃないですか」
「では、例えば、100円の物Aを見て安いか高いかって分かりますか?」
「100円の何ですか?」
「何でもいいです」
「100円は安いです」
「ほう。そう、きましたか。では、Aと全く同じものA′が80円で売っていたら?」
「そっちの方が安いです」
「では、最初の100円で売っていたAに良く似た機能を持ったBが60円で売っていて、まったく違う機能を持ったCが10円で売っていたら、どれが一番割安ですか?」
「え?似たもので同じものじゃないのと、全く違うもの?」
「そう、でもあなたはAと同じ機能を持った物をできるだけ安く買いたいのです」
えっ?どういうこと?
「割安株というのは、例えばそんなものなんです」
またまた意味が分からない。
06月09日 15時14分