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カブ知恵速報 藤井英敏

マネー誌でもおなじみ藤井英敏さんの相場見通しは必見!株式市場の旬な情報をお見逃し無く!投資情報:カブ知恵

09月03日 15時23分

来週の為替見通し/レンジは82.50-85.50円を想定

今週の円相場は売り先行後、買い戻された。週明け30日朝、「日銀が臨時の金融政策決定会合を開催する」と伝わると、金融緩和への期待感から円売り・ドル買いが強まった。一時85.91円まで下落した。ただ、「新型オペ」の供給額を現行の20兆円程度から30兆円程度に引き上げるとの日銀の追加緩和策は、市場では「ほぼ予想の範囲内」と受け止められた上、白川日銀総裁の会見では更なる追加緩和を示唆する発言がなかったため一転買い戻しが優位になった。

31日の日本株が大幅安となったことがリスク回避目的の円買いを誘ったほか、1日には8月全米ADP雇用リポートが弱い内容だったことを受けた円買い・ドル売りも入り一時83.66円まで上昇した。

8月25日に付けた1995年6月以来の高値83.58円にあとわずかに迫った。その後、8月米ISM製造業景気指数が予想外に改善し、米金利が急上昇した影響で円買い圧力は後退。円は84円台前半まで押し下げられた。

来週、米国では7日に米地区連銀経済報告(ベージュブック)、8日に7月米消費者信用残高、9日に7月米貿易収支、新規失業保険申請件数、10日に7月米卸売在庫などが発表される。

また、コチャラコタ米ミネアポリス連銀総裁は8日に米連邦公開市場委員会(FOMC)についてモンタナ州で講演を行う予定となっている。

なお、6日はレーバーデーの祝日で米金融市場は休場となる。

一方、日本では7日に7月景気動向指数・速報値、8日に7月国際収支、8月マネーストック、7月機械受注、8月景気ウオッチャー調査、9日に7-9月期法人企業景気予測調査、10日に4-6月期実質国内総生産(GDP)改定値、8月国内企業物価指数、8月消費者態度指数などが公表される。その他、日銀は6-7日に金融政策決定会合を開き、終了後に政策金利を発表する。

 来週の経済指標では、米国では、ベージュブックの内容に注目したい。21日のFOMCの討議材料となるため、各地区連銀の経済状況を確認する必要がある。先行きの弱さなどが指摘されれば、追加の米金融緩和観測が高まる可能性がある。

一方、日本では、日銀の動きに注目が集まる。30日に臨時の金融政策決定会合を開いたばかりであるため、現状維持との予想が多数を占めているが、内外の株価や週末の米雇用統計の結果次第で、更なる緩和を求める圧力が高まることもありそうだ。

来週の円相場は、円が買われやすい地合いが続くだろう。レンジは82.50-85.50円を想定している。8月ISM製造業景気指数が予想外に改善したとはいうものの、引き続き米景気の先行き懸念は根強い。米金利低下も一服しているが、利回り自体は依然低水準だ。

一方、日銀の緩和策には手詰まり感がある。日米の置かれた構図に大きな変化はなく、円が買われやすい。ただ、日本の為替介入への警戒感もくすぶっており、一本調子で円が値を上げる展開にはならないだろう。

もっとも、来週前半の動きは、日本時間今晩の8月米雇用統計の結果次第といえる。失業率が9.6%、非農業部門雇用者数変化が前月比10万5000人減となっており、予想からどの程度ぶれるかが焦点だ。

(グローバルインフォ株式会社)

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